今日の赤旗から。
アパホテル 客室に南京事件否定本
中国 ネット予約不可能に
中国の複数の大手インターネット旅行代理店で18日、客室に旧日本軍による「南京事件」を否定する内容の書籍が置かれているとして、批判が出ているアパホテルの予約ができなくなりました。(中略)
書籍はアパグループの元谷外志雄代表の著作で、中国が犠牲者30万人と主張する「いわゆる南京虐殺事件がでっち上げであり、存在しなかったことは明らか」と記述しています。同グループは客室から撤去しない方針を示しています。
すでにこの問題は、中国のメディアで大きく取り上げられただけでなく、AP通信・AFP通信・英BBC放送など世界中のメディアで伝えられています。
歴史修正主義がヘイトスピーチを生み出していることについて、日本共産党の大会決議は次のように指摘しています。
“ 安倍政権の歴史逆行の姿勢が、日本の右翼勢力や排外主義勢力を勢いづかせていることも重大である。この間、全国各地で、在日韓国・朝鮮人や中国人を罵倒するヘイトスピーチとデモが多発してきた。民族差別をあおるヘイトスピーチを根絶するために、政治が断固たる立場にたつことが必要である。
安倍政権の「戦争する国」への暴走は、過去の侵略戦争を肯定・美化する歴史逆行の政治と一体のものである。過去の侵略戦争を反省しないものが、海外での戦争に乗り出すことほど危険なことはない。このような政権に日本の政治を担う資格はない。”
民間企業だから何を置こうが勝手、という議論もありますが、歴史修正主義がさらに軋轢を生み、国際協調の障害になることを考えれば、愛国を声高に主張する彼らこそ、国益に反する行為を行っていると言わざるを得ません。実際、BBCは、先に取り上げた小田原市の生活保護ジャンパー事件の直後に、アパホテル問題を取り上げました。人権の尊重がないがしろにされていることを国際社会に向けて宣伝してしまったのと同じです。
オリンピック・パラリンピックの「おもてなし」は、歴史修正主義による夜郎自大な価値観の押しつけからは不可能です。歴史を直視するとともに、多様な文化を認め合う姿勢なくして、国際社会で真の信頼を得ることはできません。