国会はきょう15日未明、カジノ解禁法案を数の暴力で強行可決しました。
8月5日の「しんぶん赤旗」は、次のように報じました。
東京都が6月に出した「提案要求」は、「生活・産業」関連の項目で「(カジノは)国際観光拠点として有力な観光資源であり、経済波及効果や雇用創出効果等が期待できる」とのべ、(1)法整備にあたり現行法体系との整合性を図る(2)カジノ導入にともない国民が抱く懸念を払しょくするよう努める(3)地方自治体の意向を十分踏まえること―を求めています。
カジノ誘致というと、維新の会の大阪のイメージが強いかもしれませんが、東京都も名乗りを上げています。小池都知事は、都知事選でもカジノ推進を表明していました。
カジノというと、映画などのきらびやかなイメージが強い方もいらっしゃるでしょうが、現実は映画とは異なります。最大の違いは、映画では「プロのギャンブラー」が中心に描かれますが、実際のカジノはプロのギャンブラーだけでは成り立たないことです。映画のようにプロのギャンブラーが勝ち続けては、カジノはやっていけません。実際は、勝つ人と負ける人がいて、それでもカジノ自体が儲かるのは、同じおカネが右から左に流れるだけ(ゼロサムゲーム)どころか、途中で寺銭がカジノに収まる(マイナスサムゲーム)です。
カジノ推進のブレーンとされる大阪商業大学の谷岡一郎学長は、2013年に、「高齢者のタンス預金などが回り始める」ことをカジノの効能として発表しています(13日参議院内閣委員会,下記動画)。
海外からの観光客集客がカジノ推進の理由の一つに挙げられていますが、海外の例を見ても、主にはまってしまうのは自国民です。
とくに日本人はギャンブル依存症が他の先進国に比べて突出して多いことが指摘されており、推定で500万人以上の人がギャンブル依存症に苦しんでいます。この上さらに、ギャンブル依存症の「入口」を作ることには、私たちは断固反対します。
カジノは「時間消費型」とカジノ推進派は言います。カジノで時間を気にすることなくゆっくり遊んでもらうという意味ですが、その間賭けつづけることになります。時間を忘れてギャンブルに熱中する施設だ、と言う方が正確でしょう。
「カジノを含む総合施設」というのも、具体的にはホテルとカジノのセットで、これは終電などを気にすることなく賭けつづけてもらうためです。
さて、カジノの「魅力」にとりつかれて外国から観光客が来たとして、こういうお客さんが地元でお土産を買ったり、食事をしたりしてくれるでしょうか?はまればはまるほど、ずっとホテルから出てこないでしょう。実際に海外の例を見ても、儲かっているカジノ施設の周りはカジノができる前よりも荒廃してしまったケースが多いことが国会で明らかになっています。
さらに、こうした大きな利権には、暴力団など反社会勢力が入り込んできます。また、ギャンブルを通じたマネーロンダリングも横行します。結果として、カジノを誘致して儲かるのは、建物を作るゼネコン、ギャンブル設備を入れるパチスロメーカー等、実際に運営するパチンコホール企業等であって、地元の振興には結びつきません。むしろ治安の悪化を招き、地域を崩壊させるおそれがあります。